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ホテル連泊中の客室清掃ルール|入室確認・清掃不要・起こさないで札

ホテル連泊中の客室清掃ルール|株式会社ライフスタッフ

連泊のお客様が増えると、客室清掃の現場には、チェックアウト後の清掃とは別の判断が毎日のように生まれます。この部屋には今日入ってよいのか。お客様はもう外出されたのか。ドアに掛かっている札はどう扱うのか。清掃不要の申し出は何日続いているのか。こうした判断を清掃スタッフ一人ひとりの感覚に任せていると、在室中の客室に入ってしまう、いわゆる「鉢合わせ」が起きたり、何日も清掃が入らない部屋が生まれたりします。

連泊清掃とは、連泊中のお客様が滞在を続ける客室に入り、ベッドを整え、使用済みのタオルやごみを回収するなどして、引き続き快適に過ごしていただくための清掃のことです。次のお客様を迎えるためにチェックアウト後に行う清掃とは、目的も、作業の範囲も、入ってよい時間も違います。この記事では、連泊中の客室清掃について、入室前の確認、私物の扱い、「起こさないで」の札と清掃不要の申し出の区別、清掃が入らない日が続くときのルール、人員と情報の段取りまで、施設として決めておきたいことを整理します。厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」が、シーツなどの交換について示している目安にも触れます。

連泊清掃とチェックアウト後の清掃は何が違うのか

連泊清掃とチェックアウト後の清掃のいちばんの違いは、客室がまだお客様の部屋だという点です。そこから、少なくとも四つの違いが生まれます。

一つ目は、お客様が在室しているかもしれないことです。チェックアウト後の客室は空室が前提ですが、連泊中の客室は、外出されたのか、まだお休みになっているのかを確かめてからでなければ入れません。二つ目は、お客様の私物があることです。荷物や衣類、書類、充電中の機器などが置かれた部屋で作業するため、何に触れてよいかの線引きが要ります。三つ目は、作業の範囲がお客様の希望によって変わることです。いつもどおりの清掃を希望される方もいれば、タオルとごみだけでよいという方、部屋に入ること自体を控えてほしいという方もいます。四つ目は、清掃に入る部屋の数が当日にならないと決まりにくいことです。チェックアウトの部屋数は予約から見通せますが、連泊の部屋は、お客様の外出の時間や希望によって、清掃できる時間帯も部屋数も日々動きます。

この四つを現場の判断に任せず、あらかじめルールとして決めておくことが、連泊中の客室清掃を安定させる土台になります。以下、順に見ていきます。

ホテル客室清掃の「鉢合わせ」を防ぐ入室前の確認手順

在室中の客室に清掃スタッフが入ってしまう事態は、フロントからの情報、ドアの前での確認、声かけの三段階で防ぎます。どれか一つに頼るのではなく、三つを重ねるのが基本です。

第一段階は、清掃に取りかかる前の情報です。清掃スタッフが受け取る清掃指示表に、その部屋が連泊中であること、清掃の希望の有無、お客様から伝えられた外出の予定や清掃希望の時間帯が載っていれば、入る順番を組み立てられます。フロントでお客様の外出を把握できる運用の施設であれば、その情報が清掃側に届く仕組みにしておきます。情報がないまま「もう外出されただろう」と推測で入る状態をなくすことが、最初の一歩です。

第二段階は、ドアの前での確認です。ドアノブに札が掛かっていないか、室内から物音や話し声がしないかを見ます。札が掛かっていれば、その意味に従います。札の扱いは、後の見出しで整理します。

第三段階が、声かけです。ノックをして「ハウスキーピングです」などと名乗り、少し間を置いて反応がなければもう一度繰り返します。それでも反応がない場合も、ドアを少しだけ開けた位置で改めて声をかけ、室内の様子を確かめてから入ります。お休み中の方やシャワー中の方は、一度目のノックに気づかないことがあるためです。名乗りの言葉は、外国人のお客様にも伝わるよう、英語など施設で決めた言い方にそろえておくと、スタッフが迷いません。ドアガードが掛かっていてドアが開ききらない場合は、在室と考えて入らないのが原則です。そのうえで声かけに応答がない場合は、清掃スタッフが自分で対応しようとせず、すぐにフロントへ伝えます。

それでもお客様が在室していた場合は、すぐにお詫びをして退出します。その場で長くやりとりをせず、お客様から清掃のご希望や都合のよい時間を伝えられたときは、そのままフロントに伝え、ご希望をあらためて伺うのは施設で決めた窓口に任せます。室内でお客様が倒れている、呼びかけても反応がないなど、様子がおかしいと感じたときは、退出して終わりにせず、施設で決めた緊急時の連絡先へすぐに知らせます。作業中にお客様が戻られた場合の動き方も決めておきます。作業を中断して退出するのか、お客様に確認したうえで続けるのか。清掃中であることを示す表示を出しておき、戻られたお客様が状況を一目で分かるようにしておくと、お互いに驚かずに済みます。

入室の手順は、スタッフの安全にも関わります。在室中の客室に一人で入ってしまった場面は、お客様にとってもスタッフにとっても不安の残る状況です。入室の手順を全員が同じ形で守ることは、お客様のプライバシーを守ることであり、同時にスタッフを守ることでもあります。

私物がある客室で触れてよいもの・触れないもの

連泊中の客室では、お客様の私物は「動かさない・開けない・捨てない」を原則にします。そのうえで、例外として扱うものをあらかじめ決めておきます。

とくに迷いやすいのが、ごみかどうかの判断です。ごみ箱に入っているものはごみとして回収する、ごみ箱の外にあるものは、空に見える容器や紙袋、メモ書きであってもお客様の持ち物として残す、というように、判断の基準を置かれている場所で決めておくと、スタッフによる差が出にくくなります。飲みかけの飲み物、使いかけの化粧品、机の上の書類やパソコン、充電中のスマートフォンなどは、位置も向きも変えずに、その周りだけを整えます。

ベッドの上に衣類や荷物が置かれている場合に、ベッドメイクをどこまで行うかも決めておきたい点です。私物をよけて整えるのか、私物があるときはシーツを無理に整えないのか。施設の方針を一つに決めておけば、「服を勝手にたたまれた」「物を動かされて見つからない」といった申し出を防ぎやすくなります。

現金や貴重品、パスポートなどが無造作に置かれている場合は、触れずにそのままにし、決めた連絡先に報告します。いつ、どの部屋で、何を見たかを記録しておくと、後から問い合わせがあったときに状況を説明できます。チェックアウト後の客室で見つかった忘れ物の扱いは、当コラムの「ホテルの忘れ物・遺失物の管理ルール|発見から保管・返送までの手順」で整理しています。連泊中のお客様の私物は忘れ物ではないため、こちらは「預からない、触れない」が基本になります。

「起こさないで」の札と清掃不要の申し出は分けて扱う

ドアの札やお客様からの申し出は、意味の違う三つに分けて扱うと、現場の判断がぶれにくくなります。清掃をしてほしい、清掃はしなくてよい、部屋に入らないでほしい、の三つです。

清掃をしてほしいという意思表示は、清掃希望の札や、フロントへの申し出で示されます。時間帯の希望があれば、それに合わせて回る順番を組みます。

清掃はしなくてよい、という申し出は、必ずしも「一切入らないでほしい」という意味ではありません。ベッドメイクや掃除機がけは要らなくても、使ったタオルの交換やごみの回収、アメニティの補充は受けたいという方もいます。清掃不要を選んだお客様とタオルやごみをどうやり取りするのか、入室して交換するのか、フロントで受け渡すのかを施設として決め、チェックイン時の案内や客室内の案内に書いておくと、お客様にも伝わりやすくなります。

部屋に入らないでほしいという意思表示の代表が、「起こさないでください」の札です。札が掛かっている客室にはノックもせず、その時点では清掃に入りません。時間をおいてもう一度札を確かめるのか、その日の清掃を見送ってフロントに伝えるのか、流れを決めておきます。札を掛けたまま外出されるお客様もいますが、清掃スタッフの判断で入ることはせず、清掃できなかった部屋としてフロントに報告し、その先の確認は施設側に委ねます。札が長く続く場合の考え方は、後の見出しで改めて扱います。

札の文言やお客様への案内は、日本語だけでなく英語など外国語でも用意しておくと、インバウンドのお客様との行き違いを減らせます。清掃希望の札と「起こさないで」の札の両方がドアに掛かっているなど、意味が読み取れない場合の扱いも、判断を現場に残さないよう決めておきます。

清掃が入らない日が続くとき|シーツ交換の目安と条例の確認

厚生労働省の「旅館業における衛生等管理要領」は、同じ宿泊者でもシーツなどは少なくとも3日に1回、寝衣は毎日取り替えることとしています。ただし、施設に実際に適用されるのは所在地の条例です。清掃不要や「起こさないで」が続く客室については、こうした基準を確認したうえで、清掃に入らない日数に上限を設けておくことをおすすめします。

旅館業法第4条第1項は、「営業者は、旅館業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければならない。」と定め、同条第2項で、その措置の基準は都道府県が条例で定めるとしています。ここでいう都道府県には、保健所を設置する市と特別区も含まれます(同法第3条第3項第3号)。この基準の考え方を国が示したものが、先ほどの衛生等管理要領です。2026年9月時点で厚生労働省の旅館業のページに掲載されているのは、令和8年1月20日付の通知による改正までを反映した版です。この通知は都道府県知事、保健所設置市長、特別区長に宛てたもので、地方自治法第245条の4第1項にもとづく技術的な助言と位置づけられています。なお、このときの改正で加わったのは周辺の生活環境への悪影響の防止に関する項目で、以下で紹介する寝具や便所の項目は改正されていません。

その要領は、寝具の管理について「寝衣、敷布又はシーツ、布団カバー、枕カバー、包布等直接人に接触するものは、宿泊者1人ごとに洗濯したものと取り替えること。」としたうえで、「なお、同一の宿泊者にあっては、寝衣は毎日、その他のものにあっては3日に1回は少なくとも取り替えること。」と書いています。要領の考え方では、同じお客様が連泊している間も、シーツや枕カバーなどは少なくとも3日に1回、浴衣などの寝衣は毎日の交換が目安になるということです。

便所についても、要領は「便器の汚れを十分に除去するなど1日1回以上清掃し」と書き、続けて「座便式の便器において人に直接接触する便座の部分は、1日1回以上消毒し、客室に付設されたものについては、消毒後、その旨を表示することが望ましいこと。」としています。一方で、お客様の希望によって清掃を省く日をどう扱うかについての記述は、要領の中には見当たりません。

実際に施設に適用される基準は、所在地の条例と、それにもとづく保健所の指導です。自治体の文書のなかには、千葉県が行政指導の指針として定める「千葉県旅館業衛生等管理指導指針」のように、要領と同じく「3日に1回は少なくとも取り替えること」という文言を置いているものがあります。一方、東京都や台東区の旅館業法施行条例のように、シーツや寝間着などについて「宿泊者ごとに交換し、洗濯すること」と定め、連泊中の頻度までは書いていない条例もあります。このように書き方は自治体によって異なりますので、清掃不要のプランを始める前やいまのプランを見直すとき、また清掃に入らない日数の上限を決める前に、所轄の保健所で自施設に当てはまる基準を確認しておくのが確実です。

基準とは別に、清掃に入らない日が続くことには運営上の不利もあります。汚れがたまった分だけ、次に清掃に入ったときに時間がかかり、その日の段取りに響きます。水回りの不具合や設備の故障、害虫の痕跡など、清掃に入ったときに気づく機会のある異変に気づくのも遅れがちです。上限の日数を決めたら、その日にはシーツ交換を兼ねて入室させていただくことを、チェックイン時や客室内の案内であらかじめお伝えしておくと、当日になって慌てずに済みます。その日に「起こさないで」の札が掛かっていた場合も、清掃スタッフが札を越えて入るのではなく、施設からお客様にご都合を伺ってから入室する流れにしておきます。

札が続く・連絡が取れないときの確認は施設の責任者が判断する

「起こさないで」の札が長く掛かったままの客室や、お客様と連絡が取れない客室に、清掃スタッフが自分の判断で入室することは避けます。確認に動くかどうかとその方法は、施設の責任者があらかじめ決めておくべき事柄です。

決めておきたいのは、どのくらいの時間、あるいは何日続いたら確認に動くのか、誰がお客様に連絡をとるのか、応答がない場合に誰の判断で、何人で入室するのか、の三点です。お客様の体調が急に悪くなっている可能性も、ないとは言えません。衛生等管理要領は、宿泊者等の傷害や事故等の発生に備えて、「事故等の発生に迅速で適切に対応できるよう医療機関等との通報網の整備等組織的体制を確立しておくこと。」を求めています。長く応答のない客室への対応も、こうした体制づくりのなかに位置づけておくと、いざというときに迷わずに済みます。

清掃スタッフの役割は、異変に気づいたらすぐに伝えることです。札が何日も掛かったままになっている、ドアの前にお届けした物が手つかずで残っている、室内からの物音やにおいが気になる、といったことに気づいたら、決められた連絡先へすぐに報告します。清掃を外部に委託している施設では、その報告が委託先の現場責任者を経由して、施設のフロントや責任者に届く道筋をあらかじめ決めておいてください。急を要すると思われる場合に、現場から施設へ直接知らせてよいかどうかも、あわせて取り決めておきます。

連泊清掃を回す段取り|作業範囲・情報の流れ・委託先との取り決め

連泊清掃を安定して回すには、作業の範囲、清掃する部屋の決め方、情報の流れの三つを決めておくことが欠かせません。

作業の範囲は、項目として書き出しておきます。たとえば、ベッドを整える、使用済みのタオルを交換する、ごみを回収する、アメニティを補充する、洗面台やトイレなどの水回りを清掃する、床の目立つごみを取る、といった項目です。何泊目にシーツを交換するのかも、先に触れた条例の基準を確認したうえで決めて書き込みます。チェックアウト後の清掃と同じ手順書に混ぜず、連泊用の手順として分けておくと、1室あたりの作業時間の見通しも立てやすくなります。

清掃する部屋の決め方では、連泊の部屋の清掃の要否をいつの時点で確定させるかを決めます。前日の夜に申し出を締め切るのか、当日の朝に札で判断するのか。確定のタイミングが遅いほど、人員の配置は難しくなります。チェックアウト後の清掃を優先してチェックインの時刻に間に合わせ、連泊の部屋はお客様の外出が多い時間帯に回す、といった優先の考え方も決めておきます。

情報の流れでは、清掃に入れなかった部屋、清掃不要が何日続いているか、お客様から伺った要望などを記録に残し、フロントと清掃の間で同じ情報を見られるようにします。日数を誰が数えるのかが曖昧なままだと、上限の日を見落とします。

清掃を委託している、あるいは委託を考えている施設では、これらを取り決めておくことが大切です。これから委託する場合は契約の前に、すでに委託している場合は委託先との作業範囲の見直しとして行います。連泊の部屋の清掃内容と頻度、清掃不要の日の扱い、清掃に入れなかった部屋の報告のしかたを、作業の範囲として文書にしておきます。業務委託(請負)では、清掃スタッフへの作業の指示や管理、勤務のシフトや人員の配置は、受託した会社が自ら行うのが原則です。施設からお伝えするのは、清掃する客室や仕上がりの基準、仕上げの時刻、入室できる時間帯といった注文の内容で、それをもとにした回る順番や人の割り振りは受託した会社が決めます。フロントが把握したお客様の希望も、清掃スタッフに直接ではなく、委託先の責任者にお伝えいただき、責任者から現場に反映する形になります。清掃不要の申し出が多い日と少ない日で、清掃する部屋数がどれだけ動くかも、委託の条件を考えるときの前提になります。

出典:「旅館業における衛生等管理要領」(厚生労働省。令和8年1月20日の改正までを反映した版)、旅館業法(e-Gov法令検索)、「千葉県旅館業衛生等管理指導指針」(千葉県)、旅館業法施行条例(東京都)、東京都台東区旅館業法施行条例(台東区)。本記事は、これらをもとに株式会社ライフスタッフが要約・編集して作成したものです。

連泊客室の清掃ルールづくりのご相談はライフスタッフへ

株式会社ライフスタッフは、ホテル・旅館の客室清掃を全国でお引き受けしています。ベッドメイクやリネン交換、アメニティの補充、清掃後の検品まで、施設ごとの清掃基準にもとづいて作業し、作業の範囲・頻度・報告の方法は、ご契約前にすり合わせて取り決めます。

連泊の部屋の清掃内容を見直したい。入室前の確認手順をスタッフ全員でそろえたい。清掃不要の日数の数え方や報告の流れを整えたい。こうしたご相談は、清掃基準・作業手順の策定や人員配置、スタッフ教育の設計をお手伝いする清掃オペレーションのコンサルティングとして承ります。なお、当社はフロント業務や宿泊者対応といった運営業務は行っておりません。清掃の要否の確認やお客様へのご連絡を施設さまの側で担っていただくことを前提に、清掃のルールづくりをお手伝いします。

委託をご検討の場合は、どの客室を委託の範囲に含めるかも、あわせてご契約前にすり合わせます。「客室だけ」「繁忙期だけ」の委託にも対応しています。まずはお気軽にお問い合わせください。

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